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世界を先導するデータサイエンス研究をしよう!

武蔵野大学データサイエンス学部・研究科は、世界水準の研究環境構築を目指し、6F共同研究室の抜本的改革を実施します。この取り組みでは、研究者としての優れたビジョンととデータサイエンス学術文化の醸成を重視し、自律的な研究環境の形成を促進します。専用ポスターやウェブサイトを通じて、次世代のデータサイエンスリーダーを育成するための理想的な研究環境を創造してまいります。

メッセージ

皆さん、私たちのデータサイエンス学部・研究科における研究環境の改革について、学部長としての メッセージを送ります。

現状への対応と新たな空間形成

私たちの6F共同研究室を、次のに基本概念に基づいて形成します。

(1) 優れたImaginationを醸成する空間、(2) 高いDiscipline を有する空間

本来、大学の研究空間とは、世界レベルの研究を生み出すべき場所であり、その目的から準図書館的な環境を構成します。具体的には:

  • 研究への崇高な取り組みを行う空間とする。

  • 研究に集中できる静謐な雰囲気を形成する。

  • 学術的議論のみを会話の対象とする。

  • 学術とは無関係な会話や活動は行わず、静けさを損わない。

  • 共有スペースであり、個人の固有としない。

  • 物品を整理整頓し、私物を放置しない。

この研究環境は単なる物理的環境としてだけではなく、研究者としての姿勢や志を実現する空間でもあります。研究とは何か、そして研究者としてどのような環境で、どのような心構えで研究に臨むべきか。この根本的な問いに立ち向かう環境として空間形成して行きます。

研究環境のビジョン

世界のトップ大学の研究室を訪れた経験のある方なら、そこに漂う荘厳さと美しさを感じられたことでしょう。プリンストン高等研究所、ケンブリッジ大学、MIT、UC バークレー、スタンフォード大学などの研究室には、研究という営みへの敬意が空間自体に表現されています。

最高の研究をするための条件は、良い人材がいることと、研究の環境が良いことです。この信念のもと、学部生、大学院生の皆さんも、ここで形成する高度な研究環境を最大限に活用していただければ、世界最高水準の研究ができると確信しています。

研究とは本質的に美しいものです。新たな知見を生み出し、世界をより良く、より美しくするための崇高な営みです。そして美しい研究環境は、研究者としての美徳や高い視座を育み、世界レベルの研究成果を導く源泉となります。

私たちが目指すべき研究環境とは、単に静かで整理整頓された場所というだけではありません。そこは知的探求の中心地であり、世界の最先端の知見と対話する場所であり、未来を切り開くビジョンが生まれる場所です。そのような環境では、研究者一人ひとりが自らの研究に誇りと責任を持ち、互いを尊重し合いながら、より高みを目指して切磋琢磨することができるのです。

改善のコンセプト

この改革において重視しているのは、データサイエンスを対象とした学術文化の醸成です。 

論理性の高いアプローチとして、最低限の合意可能なルールを定めた上で、皆さんの良識と高い意識によってカルチャーを育てていきたいと考えています。

研究の本質は自由な発想と厳格な思考にあります。過度な制約は創造性を阻害しますが、一方で無秩序は深い思索を妨げます。私たちが目指すのは、自由と規律のバランスのとれた研究環境です。それは、一人ひとりが研究者としての自覚と責任を持つことによってのみ実現できるものです。

改善策

今回の改革では、以下の具体的な施策を実施します。

  1. 全スペースの共有化とSilent Spaceの設定:研究室全体を共有スペースとし、基本的には静寂な環境(Silent Space)として運用します。集中して研究に取り組む場として、相互に敬意を持って利用しましょう。

  2. Research & Discussionスペースの柔軟な運用:研究会や議論が必要な際には、一部をResearch & Discussionスペースとして活用できるよう、予約システムを導入します。QRコードから簡単に予約できるようにする予定です(当初は、現地でのホワイトボードへの記入のみから運用を開始する可能性があります)。このスペースは予約が可能であり、予約が優先されますが、空いていれば予約は必要なく、柔軟にご利用いただけます。予約システムの完成まで少々お待ちください。ただし、研究会や講義等で使用される場合は、これが優先されます。

  3. フリーアドレス制の徹底:特定の場所を占有せず、使用後は元の状態に戻すことを基本とします。先着順での利用を基本としますが、荷物の放置は認めません。

これらの施策は、細かなルールで皆さんを縛るためではなく、研究者としての視座と目標を高めることで、自ずと適切な研究室利用の文化が醸成されることを目指しています。

制作物について

この改革に際して、以下の制作物を用意しました(一部は準備中):

  1. 「世界を先導するデータサイエンス研究をしよう」ポスター:学部長としての思いとポリシーを直接伝えるポスターです。研究に対する私たちの姿勢と、目指すべき方向性を明確に示しています。

  2. 研究ポリシーと利用ガイドウェブサイト:ポスターに設置したQRコードからアクセスできる専用ウェブサイトです。このサイトでは、研究室利用の詳細なガイドライン、Discussion and Researchスペースの予約システムなどを提供します。予約システムの完成まで少々お待ちください。

実施計画

この改革は以下の手順で実施します:

  1. 共同研究室の運用体制刷新の宣言(本メッセージ)

  2. ポスターの設置と必要に応じたオリエンテーションの実施

  3. 専用ウェブサイトの公開と予約システムの導入

  4. 教員による模範的な研究室利用の実践

  5. 世界水準の研究成果創出とその共有

研究成果の発信について

皆さんに特に強調したいのは、大学院生、学部生の研究成果も、大学のウェブサイトや外部のプレスリリース、メディア等を通じて積極的に発信していくということです。優れた研究は、それが学部生によるものであれ、大学院生によるものであれ、世界に共有されるべき価値を持っています。

本学では、皆さんの研究成果を広く社会に発信するための支援体制を整えています。国内外の学会発表や論文投稿はもちろん、一般メディアへの露出機会も積極的に創出していきます。世界水準の研究にチャレンジすることは、皆さん自身の成長のためだけでなく、社会貢献につながる重要な活動です。ぜひ積極的に世界水準の研究にチャレンジしましょう。

おわりに

この改革が目指すのは、単なる物理的環境の改善ではありません。私たちの研究に対する姿勢と視座を高め、世界レベルの研究を生み出すことのできる文化を醸成することです。研究とは尊厳ある行為であり、美しい環境から美しい研究成果が生まれることを心に留めて、共に世界一の研究を目指しましょう。

研究には自由と規律のバランスが重要です。研究への敬意と相互尊重から生まれる自然な秩序を大切にする。それが武蔵野大学データサイエンス学部・研究科の研究ポリシーです。

私は皆さんと共に、武蔵野大学データサイエンス学部・研究科を、世界に誇れる研究拠点として発展させていくことを確信しています。この改革をきっかけに、私たち一人ひとりが「世界を先導するDS研究」を目指す意識を高め、それにふさわしい研究環境と文化を築いていきましょう。

清木 康 (武蔵野大学データサイエンス学部長 大学院データサイエンス研究科長)
岩田 洋夫 (武蔵野大学データサイエンス学部データサイエンス学科長)